この人、76歳。そんな風に見えますか?まぁ、ナベサダを知らない人には、写真からだとそんな歳に見えるのかもしれない。私の永遠のアイドル【渡辺貞夫さん】だ。
中学に入ってFMというものを聞きだした。洋楽も好きだったが、なぜかJAZZにハマってしまった。ウチに幾枚かのJAZZのレコードがあって、いつの間にかその影響を受けたようだ。でもあんまり家にいなかったオヤジが音楽を家で聞いている姿なんか見た事ないんだが・・・。オフクロは普通のおばさんだし・・・。
ガキだから、知識もないし深みもよくわからなかったが、ニューオリンズからモダンまで、JAZZと名のつく音楽はなんでも聞いた。好きが高じて、高校に入ってテナーサックスまで始めてしまった。
サックスは、もちろんモテたかったから始めたのかもしれない。少しくらいはこれでモテた事もあるかな・・・?が、とにかく大きな音で音楽を奏でるのが楽しかった。みんなで一つの音楽を演奏する。これもホント一体感を感じていい。さらに言えば、演奏を聞いている人にもひと時の幸せを与えられる。音楽って最高だ!
高校一年の春、先輩から渡された一本のカセットテープ、【カリフォルニアシャワー】。これが思春期の音楽魂を一気に盛り上げた。カシオペアやスクエア等、こんな軽快なジャズフィージョンが全盛期となった時代だ。
ナベサダ。最高に好きだった。カッコいい。JAZZにとどまらず、ボサノバからサンバまで、いやアフリカンミュージックまで取り入れ、人生をJAZZに掛けた男。
先週の金曜日、そんなナベサダのコンサートに初めて行ってきた。もちろん昔から行きたかった。でも田舎者だったし、ガキの頃は、ナベサダだけは特別過ぎるほど特別で、なぜが行く勇気がなかったのだ。
感動・・・。超感動。幸せでした。
しかし当日、三重県総合文化センターには、何故か60代70代の先輩方が多い。どうやら隣のホールで、ブルーコメッツとワイルドワンズのコンサートがあるらしい。で、ナベサダのホールに入ってみると、実はここも年配だらけ・・・。目の前には、80前くらいのおばぁちゃんが二人で座っている・・・。
そりゃそうか・・・。ナベサダさんだって76歳なんだもん。しかし、演奏を見てもさっぱりそんな年齢は感じない。激しく動き回るようなコンサートではないけれど、エネルギッシュで軽快で、そして音に深みがある。あぁ、そんな事がわかる歳になったんだ・・・!
カッコイイ。こんな男になりたい~!!10代でサックス一本持って上京し、チャンスをつかみ20代でバークレー音楽院に入る。さんざん苦労もしてきたようだが、常に前向きに様々な活動を繰り返し、30代から世界の並々ならぬジャズマンやアーティスト達と演奏を繰り返してきた。
76歳になっても、その精力は落ちない。いや、少なくとも我々には全く落ちてるようには感じられない。その瞬間々々に、どんどん人々の幸せの時間を作り出していく。
なんか、前に働いていた会社の上司に似ているんだよね。私のこれまでの経験の中で、唯一本気で尊敬している上司に。容姿が・・・。二人とも同じように尊敬しているから似て見えるのか・・・。まぁ、その上司は、今やだたのオジサンなんだけど・・・!
さて私の音楽人生。大学に入ってすぐにJAZZ研に入部届けを出したが、そこはあまりにもオタクの巣であった。そのため結局一度もまともに行かず、アパートでサックスの練習をしていたら、隣の部屋の先輩に怒られて、それ以降サックスに触らなくなってしまった。新品のYAMAHAのテナーが、殆ど新品のまま実家の納屋で眠っている・・・。
人生って一回しかないんだ。本当に大好きなことはやり続けなければ。いまさら「あん時続けておけばなぁ~!」なんて通用しない。
建物作り。商売としてやっていくには、なかなかいつも気分がイイなんて事はない。しかし、前向きに精力的に続けよう。76歳になっても、誰かに幸せの時間を与えられるかもしれない・・・ブツブツ・・・。