築40数年、小さな平屋リフォーム
20坪足らずの小さな平屋。さてこれが狭いのか、あるいは広いのか・・・。
都心では、家族3人・4人でも30坪以下の住宅は多い。はたしてそれが狭いのかと言われれば、必ずしもそうではない。十分に豊かに、そして幸福に暮らしている人がとても多い。
一方、私が住むような田舎に来ると、40坪でも狭いと言う人がいる。ケッコウ多いかも知れない。図面を描きながら頭を整理すると、いかに無駄なスペースを作って暮らしているかがよくわかる・・・。
依頼の建物は、スケルトンリフォームを希望されている。増築も視野に入れているとの事であったが、ファーストプレゼンでは0.3坪ほど増築にとどめて、倍の広さにでもなったような気分になる驚きのプランを提案した・・・!
そしてプレゼンでは、非常に気に入ってもらったように思う・・・!
プランはここでは見せられないが、建物の外観形状はほぼ変えず、内部の間仕切りを必要な壁を残してガラッと変更。
広々感じる技の一つは、いくつもの『回遊動線』。
小さな家で回遊動線をたくさん作るのはとても難しいが、今回は、収納を作りたくなるところにも引き戸の入口(通り道)を設けている。もちろん引き戸であれば、将来生活の条件からどうしても収納家具を置きたくなれば、戸の前に自由に置くこともできる。元に戻すのも簡単。
もう一つの技は、『遠景の見せ方』。
リフォームを依頼される方のこれまので生活を見ていると、窓は多くても、家の外に向けて家具を置いたり生活のアイポイントを作ったりする人はとても少ない。多くの人は、外壁から内側に向かって生活をしようとしている。自分たちの空間を、外壁から内側だけに留めようとしていると言ってもいい。
外の空間を利用したい。そのためには、窓の数や開口の大きさをあえて絞り、その事で逆に窓の外を意識させる。そして窓の位置は、気持ちの良い遠くの景色が見えるところを探す。
山の稜線や水平線が見ると良い。そうでなくても、遠くの公園の緑や、青い空と動く雲でもいい。意識を外壁の外の世界、遠景に持っていくと、自分の占有する空間は、突然ぐっと増える事になる。
細かい手法や、そのようなプランによるリスクの回避方法はここでは表せないが、『小さいけど広く感じる家!』は、とても素晴らしい。理想であろう。
当然建設費は安くつき、他の楽しみにお金が使える・・・!建物や家具だけでなく、新しい生活には、食器や新しい生活必需品、タオル等、生活を少しわくわくさせるものも少し新しくすると、幸せ感がとても大きなくる。
掃除や管理をする面積も少くなる。だから小さな家は、当然、掃除・片付けの時間も短くなる。その余った時間は、また他の楽しみに使える・・・。
無駄な(!)収納が少なければ、無駄な買い物はしない。もともと納戸や押し入れなどに入れっぱなしで出すことが無い荷物の多さに、自分自身あきれている人も多いハズ。
こんな事をじっくり話し合って、一つ一つ納得しながら、新しいライフスタイルを想像してい行く。そのお手伝いをする。
それも、専門の設計事務所の独特の仕事だ・・・ブツブツ・・・・・。
アグラ
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