葦戸(よしど)は、夏の知恵。涼しや。
伊勢内宮前のおはらい町にある【五十鈴茶屋】。毎月の朔日参り(ついたちまいり)の後、3回に1回くらいでちょいと寄る。子供たちと一緒にという事もあるが、たいていは一人。そして早朝・・・。
特に珍しいところでもないかもしれないが、早朝となると人もあまりおらず、小さな庭園を独り占め。もの想いにふける自分に・・・酔える・・・。
さて、こちら、夏になると障子戸や襖を『葦戸(よしど)』に入れ替える。葦を組子の間に入れた、夏の仕掛けだ。
昔ながらのお家では、衣替えの季節、6月の声が聞こえる頃、襖・障子を≪葦≫や≪竹≫などを入れた『簾戸(すど)』に変えていた。
『葦戸(よしど)』とは、『簾戸(すど)』というジャンルの中で、葦(ヨシ)で作られるもの。
ちなみに『葦』は、≪ヨシ≫とも≪アシ≫とも読むが、ヨシは中が空洞になっているもの。アシは、中が詰まっていものらしい。
アシは≪悪し≫だそうで、虫がつく。もちろん、ヨシの方がいい。
五十鈴茶屋、秋から春までは、このように障子が入っている。もちろん、これはこれで、古き良き日本らしく、趣がある。
しかし、葦戸(よしど)になると、やはりとても涼しく感じる。
日本の夏が暑いのは、今に始まったことではない。その暑さを、視覚的に、そして心で涼しくする方法が、この国の建築にはいろいろあるのだ。
数字では、決して表せない涼しさ、そして清々しさである・・・。
今日も、白髪交じりのヒゲ面のオッさんが、ひとりお抹茶セット・・・。水まんじゅうがとても冷たくて美味しい。
でもまぁ、オッさんがひとりで自分に酔っててもねぇ・・・ブツブツ・・・・・。
| 固定リンク
「01.建物好きブツブツ」カテゴリの記事
- 先人の言葉がしみる(2019.06.17)
- 御所の応接室(2017.11.06)
- アラブから見た日本(2017.08.08)
- 夏はエアコンを点けっぱなしにする?(2017.07.25)
- ただ気になるだけ(2017.05.04)
コメント