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永遠の建物

130105_2 西欧と日本では『永遠』が違う。西欧の宗教では、もちろん風土環境も手伝うが、石で造られた巨大な建物を100年も200年も掛けて建造する。この絶対的建物の不滅性は、例えば石が人間にとって半永久であるように、そのものを目で見て肌で感じて『永遠』を理解させる・・・。

 伊勢の神宮が、今年20年に一度の式年遷宮を迎える。風土環境的に言えば日本は古来より樹木が豊富であり、神社も寺も城郭も、そして民家も『木』で作られたために、風雨と火による滅びが早かった。20年に一度建物を新しくし、技術と習慣と文化を伝承させることで、目には見えるが、心で感ずる『永遠』を作ってきた・・・。

 建物はいずれ朽ちるもの。せいぜい一代か二代もてばいい・・・。建築家の意見にはふさわしくないか・・・。

 しかし、伊勢の神宮の神殿で建て替えられた古材は、表面を綺麗にして末社の建て替えに使われる。末社の古材は、そのまた末社へ。同じように、古民家の調査に屋根裏や床下に潜ってみると、どれほど立派なお屋敷でも古材がたくさん使われているのを見る・・・。西欧が一つの建物の完成までに、親から子に、子から孫に技術と習慣と文化が引き継がれていくのに対し、日本では、20年に一度・・・もちろん民家等では、サイクルが違うが・・・、表面が朽ちた建物を建て替える事で、そして古くなった材料を再び甦らせることで、それらを引き継いでいく・・・。

 つい最近まで、テレビのコマーシャルでは「長期優良住宅だ!」「100年住宅だ!」「200年住宅だ!」と、ひっきりなし言っていたものが、今は『スマートハウス』一色だ・・・。結局は、ハウスメーカーの『本質を無視』した一時しのぎの営業トーク・・・。3年後には違う事を言う・・・。良い建物を良い技術で建てるのは当然だが、人が何一つ手を掛けないで生き続ける建物に何の意味があるのか・・・。一日に一度も窓を開けずに換気が出来る建物、雨が降れば勝手に外壁が綺麗になる建物、一日モニターを見ているだけで金が儲かる建物・・・。

 西欧でも日本でも、形は違うにせよ、人は『永遠』の中に生きている。人が人にいろいろな物を繋ぎながら、『人間』は生き続けている。この重い扉の前に座る老婆は、おそらく言葉少なくも、いろんなものを伝えながら生きてきた。だから寂しそうに座り込んでいるように見えるが、道行く人々すべてに尊敬されている・・・。

 以上

 Facebookにアップした内容と同じ物をアップしました。本来、こういう意見じみたものは、ブログにアップするべきでした。今年は、こんな感じで、少しずつブログもアップできるかな。頑張ろう・・・ブツブツ・・・・・。



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