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2010年6月の4件の記事

眠気もふっとぶ!

100625001_2 またこの感動は書かねばならない。

 ありがとう。全日本!眠気もふっとぶ感動であった。

 昨日は朝一から平塚出張。往復660kmを快走して、その間に3つ打合せやって、深夜12時帰宅。3時間だけ仮眠でテレビの前にゴー!!!!

 朝の3時半に小学生の子供を起こして、こぶしを振り上げて、頑張れぇ!!

100625002_2 なんか、昨日は朝から気分よく、良い事が続いていたんよね。

 手土産に買おうと思った赤福が、よく考えたら朝が早すぎてまだサービスエリアの売店に売ってないかなぁ、と思ったら、御在所のサービスエリアに入る時に、赤福の配達のバンがちょうど真後ろを走って来たり、目の前の自動車のナンバーが77-77だったり・・・。

100625003  お客様との初回面談もすごくいい感じで進んだし。

 距離は走ったけど渋滞は全くないし、だいたい、梅雨だというのに天気が良いし、富士山も見えるし・・・。

100625004 やる気でるわぁ。でもこの忙しいのに、まだサッカーを見ないとイカンのねぇ・・・ブツブツ・・・・・。

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ナバパロスで生まれた建築家

100622001_2 ナバパロス。マドリー(マドリッド)から北北東に180kmほどの、小さな小さな田舎町。いや写真を撮ったこの時には、この街には誰も住んでいなかったんじゃないだろうか。朽ちた村のようだった。

 今、いろんな人に会うたびに、『しばらくスペインで遊んでました!』なんてカッコつけた戯れ言を言っているが、実はそればかりでもない。確かに、あまり建築の勉強などはせず、ただただ旨い魚と旨い酒を、輝く太陽の下で毎日かっ喰らっていたのは事実だが、限られた時間とお金の中で、貴重な体験もいくつかあった。

 カディス大学に聴講生として在籍していたものの、もともと建築学科のない大学。授業はあんまり面白くない。そんな中、よく夜行バスで700kmはなれたマドリーまで遊びにいった。たしか学生証があると、片道1500円くらいと安い・・・。

100622003 ある日ぶらっと歩いていたマドリッド大学の校庭で、【クラッセ・デ・アルキテクチューラ・ルスティカ】というポスターを発見。

 クラッセは【授業】、アルキテクチューラが【建築】で、ルスティカが【田舎の】という意味で、【田舎の建築勉強会?】なのか、【郷土建築研修会?】なのか、まぁよくわからなかったが、ともかく街に戻って事務局というところを探し出し、「参加してもいい?」と聞いてみる。

 スペイン語は、日常会話ではもうさほど困らなかったが、専門的な単語の飛び交う大学の授業はさっぱりわからず(いい加減な聴講生だったから、それはたいした問題ではなかったが・・・)、そんなレベルで参加して迷惑じゃないか?と聞いてみた。すると、めずらしい東洋人が来たと驚き、そして逆に喜んでくれた。

 その場で申し込み・・・、たしか無料・・・。西欧では、こういう文化的な活動は無料って事が多い気がする。日本では、法的に必要な講習まで○万円必要!なんて言うのに・・・。

100622007 翌週、カディスの自宅からボロの愛車で900km走って【NAVAPALOS】の街へ。日も暮れ始める頃、到着・・・。着いた時間が悪かったのか、「これ・・・村か?」・・・・・。

 十数軒ほどしか見えない小さな建物達には、人影なく、いやそれらの建物はみな屋根が落ち、廃墟のよう・・・。遠い異国の冒険で・・・、急に心細くなる・・・。

 広場にたどり着き、明りと人影を発見。おお!事務局で見たイレアナさんだ!「安心、安心、ひと安心♪天才クイズだ!ドンと来い♪!」(・・・・40代の東海地方出身の人なら知っているでしょう?天才クイズの主題歌・・・・・。)

100622004 どうやらここは、一度は人がいなくなり廃墟になった集落を、行政かNPOみたいなところが借り受け、地方文化の研修に使っている村の様子。今回は、建築を学ぶ学生の他、建築を専門にする職業の人や、郷土文化の研究者のような人々を集め、【スペイン中北部の伝統的な古民家の建築方法の研修】だったようだ・・・。来てから、初めて理解した・・・。

100622002_2 20人ほどの参加者だったろうか。中米からの若い建築家マルコス氏の発表は、日本などでは聞けない心を動かされるものだった。少なくとも、先日聞いた安藤忠雄先生の講演よりもずっと・・・。

 日本では、意匠だ・構造だ・風だ・光りだ・断熱だ!なんて言っているが、夜露をしのげる【家】があることの幸せ、人々がやっと手にする【夜露をしのぐ家】という環境をどのように保っていくか、そんな現実の中で戦う建築家達の苦労を聞いた。恵まれた環境に気づかずに自分勝手に生きながら、ただ不平をもらし金で楽を得る・・・。それが我々の文化なのだろうか・・・と考えてさせられてしまう。

100622005 初日に到着する前には、実はその土地の赤土と藁を混ぜ合わせて腐らせ、古民家の壁の材料にするためのブロックを作る研修が行われていたようだ・・・。つまり時間を間違えて現地に行ったのだと、これも後から気がついた・・・・・。

 夜は、地元の料理を皆で食べ、地元の方々の歓迎を受け、みなで唄なんぞを歌うというお決まりのパターン。でも、やっぱりそれは楽しい。

100622006 そういう時、たいていどこに行っても、日本の唄を歌ってくれ!と言われる。唄は万国共通のコミュニケーションツール。

 そんな時の18番は、「上を向いて歩こう!」。リズムも歌詞も簡単だし、翻訳しても歌詞がわかり易くて深い・・・。どっかの若手歌手がイスラエルでアラファト議長の前で唄ったようだけど、あれなら、私の方が上手かった・・・・・。

 深夜まで続いたキャンプファイヤーの炎は今でも思い出す・・・。

 建築の様式は、もちろん土着の素晴らしいものであるけれども、真新しいものはなく、私がこれから日本でやろうとしてる事には役に立たないかもしれない。しかし、異国で経験する【ふれあい】という経験は、私の今の建築に対する考えに影響していると思う。

100622008 最終日には、修了証ももらった。意見を求められてもまともに答えられなかったのにね。ありがとうございました。

 あの国では、建築に携わり、本気で建築に向き合っている人の事を【アルキテクト(建築家)】という。

 私は、長いスペインでの滞在中、スペイン人に対しては自分は日本の【アルキテクト】だと自己紹介していた。 しかし、めぐり会う日本人相手には、どうしても自身を【建築家】だとは言えなかった・・・。この時はまだ、現場監督の経験はあるが、設計の実務経験も建築士の資格もない。日本ではそういう肩書が大切なんだ・・・と思っていた・・・。いや、日本って、そんな雰囲気がないだろうか・・・。

100622009 かの国で、たくさんの【アルキテクト】にあった。衣・食・住の【住】のところを真剣に見つめて生きている人の事を【アルキテクト】というのだ。

 だから今、私は、堂々と『私はアルキテクト・建築家だ!』と言える。もちろん設計の経験も資格もあるが、知識はまだまだ乏しくても、【住】を専門として真剣に働いているから。

 私は、何もない街ナバパロスで生まれ変わった。建築家になった。

 ナバパロスで私が得たもの・・・。人が【住む(生きる)】という事を真剣にサポートするのが建築家だということ。それと、この娘・カロルの写真・・・。ちょっと、美人でした・・・・・スペインの女子大生・・・・・ブツブツ・・・・・。

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お宝のセール!

100615001 ビゴッティがお宝の展示即売会!

 宇宙闘争から帰還したばかりのビゴッティが、ご自慢の宝物をセール中!スゲェものが、スゲェ値段で・・・!

 いや、これは彼の表の仕事らしい。裏の稼業でも木を扱うが、表の仕事はまともな建築資材の・・・横流し・・・。えっ、じゃぁどっちが裏の仕事なのか・・・・・。

 ヒノキ、マツ、スギ、ツガ、ヒバ、カバ、カリン、タモ、ナラ、カキ、クリ、etc.....。木というのは、とても難しい。パッと見ただけではさっぱり価値がわからない。雨ざらしで置いてある板が○○万円!

 しかし、ひとたび皮をむけば、実は素晴らしい財宝に変化する。木と言うのは、表面の色こそ変わっていくが、環境さえ良ければ100年でも200年でもその中身は変化しない素晴らしい素材だ。

 日本の伝統の建築には、本物の木が欠かせない。広い会場にはその本物の木が、所狭しと並んでおり、大勢の建築関係者さんでいっぱいだ。いや、家族連れまで・・・。こんなところに来ると、ワクワクしてしまう・・・!

 とは言え、実は我々建築家たちがこういった展示会に出向くことは少ないかもしれない。たまたま計画中の施主様と一緒に行ったり、工務店さんに誘ってもらったりしなければ、どうにも行きにくい・・・。なんといっても、自分では買えないから・・・。「良い目でしょ!安いよ!特価で1m3で25万です!」って・・・・・!建築家は、宵越しの金を持たない・・・のだ・・・。

100615002 ちょうど、純和風の住宅の「はなれ」のリフォーム計画が進行中。この日の午後から4回目の打合せ。良い刺激をもらって、グットなトークが出来ました。まぁ、いくらコストを掛けても良いって訳ではないけどね。そこんところが難しい・・・。

 しかし、まったくビゴッティのお宝は素晴らしいものばかりだ。奴は良い星の下に生まれている。知識も深いし、人との繋がりも多い。

 その腰のコルセットだけは痛々しいけどね。無理しすぎだぞ・・・ブツブツ・・・。

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宇宙闘争・・・いや、宇宙塗装

100604001 どうしても発想がついていかなかった。なんで塗っただけで・・・。

 野口さんがソユーズで帰ってきた。まさか、いまどきパラシュートで降りてくるとは・・・。

 ガザフスタンの草原にドサっと落ちて、黒煙というか土ぼこりとういうか・・・が舞い上がった時には、エライ事が起きちまった・・・と思った・・・。

 あっ、みんながスペースシャトルを持っているわけではないんだ・・・。最先端の科学技術と莫大な資金を使って、生死を掛けて宇宙から落ちるように帰ってくるんじゃたまらんなぁ・・・。

 なんて思いつつ、しかしすごいね。163日間も宇宙にいたら、体はどうなるんだろう・・・。ストレスで胃が重いとかいうのは、無くなったりして・・・無重力だがら・・・。

 その宇宙開発には、いつもとてつもないお金が掛けられている。日本は、国内ではまだ有人飛行も出来ないのに、世界の宇宙開発費のとても大きな割合を負担している・・・我々の税金で・・・。

 ただし、そのお金は無駄金ではない。宇宙開発から始まる研究は、必ず我々の生活に帰ってくる。【宇宙から見た我々の生活】という、すごーい客観的な視点を持って・・・。

100604003 もう何年も前に、テレビや雑誌で外壁が鉄板一枚だけの家というのが紹介されていた。外装に塗装しただけだという・・・。

 まだ駆け出しの頃、真夏の鉄骨造の現場で床のデッキという鉄板の上に鉄筋を配筋するという作業の監督をしている時、床の上は常に気温50度を超えるという過酷な状況だった。来る日も来る日もその環境で、熱中症で倒れる作業員続出という環境を経験した者にとって、この鉄板の家は考えられないと思った・・・。

 しかし、最近では、この経験と考えを全く覆すような【塗料】が、実はずいぶんたくさん世の中に出てきているようだ・・・。そう、これは宇宙開発の恩恵を得た最先端の技術商品である・・・。

 お客様から、この材料が使えないかというお話をいただいた。もちろんその塗料については知っていたが、どうしても納得がいかない・・・。最大でも数ミリ塗るだけで、遮熱して、断熱して、防音して、防露して・・・・etc....。そんな都合の良い事があってたまるか!

 と、このメーカーに文句を言ってやったら、事務所まで来て実験するという・・・。えらい自信だ!

100604002_2 約束の時間にプリウスでやってきた・・・。どうも最近、なかなか立派な企業さんは、プリウスで来る事が多い。それも、車の中がとてもキレイに清掃されていて、いろいろ積んである荷物も整理整頓されている。そういう企業は、必ず中身もすばらしい。実験が始まる前から、威圧されている・・・・・。

 早速実験。箱の中の白熱灯の上に塗装された2枚の鉄板。片方は、普通の塗装がされ、他方はこの【宇宙塗装】。温度はみるみる上がり、すぐに100度を超える。手袋をして触ると、普通の塗装はそれでも熱くて触れない。ところが、【宇宙塗装】の方は・・・、手に持って数秒で、手袋なしでも触れるほど・・・。ちなみに、温度は同じだったのに・・・。

100604004 今度は電熱線の入った床暖房を模したパネルの上に、さっきの塗装された鉄板2枚を置き、氷を置いた。温度は、両方とも38度を超えるところまであがった。普通塗装の上の氷は、当然すぐに溶ける。ところが【宇宙塗装】は・・・なぜか溶けない・・・・。遠赤外線効果だとか・・・。

 塗装したプラスチックカップに氷を入れておく実験。当然普通は、すぐに表面が結露する・・・ハズ・・・。普通塗装はすぐにビチョビチョ。ところが【宇宙塗装】は・・・・・。

100604007 その理由は・・・?

 営業マンではないので、ここではあまり説明はしない。まぁ、なるほどと理解したこともあるし、まだ十分理解していない化学的な話もあるし・・・。

100604005 なんと塗料とは言え、実は60%がセラミック。ここにこの謎を解く大きな鍵がある。特殊セラミックビーズが熱を迅速に吸収し、そしてそれをすぐに放出する・・・。

 ある冷凍倉庫の屋根に塗って、なんと7年間で490万円の節約効果があったという実績。一般家庭では、こんなすごい数値は出ないが、エアコン代が軒並み下がったという報告書。嘘ではないと思う。

 遮熱し、断熱し、結露をさせない。

 ただし、今回この塗装はどうかというお話をくださったお客様には、今回の工事では使わないでおきましょうとお話しした。

 理由の一つはコスト。良いものは高い・・・。開発されてから時間がまだ短く競合が少ない場合は、どうしてもコストが高くつく。それにこの材料を使って発生した問題ってのが、まだ見えない。ちゃんと問題が出て、それを解決する方法が経験としてわかっていなければ、簡単にお客様に勧めるわけにはいかない。

 今回の依頼は、マンションリフォーム。内装にクロスの上から塗るだけでも効果があるという宣伝文句だが、常に閉め切って空調されている部屋には、より大きな効果がありそう。店舗とか、24時間エアコンをかける家庭とか。自然の風を感じる家には、今のコストに見合う効果があるだろうか・・・。

 一軒家で、夏の暑さをどうにかしたいというリフォームには、是非推薦したい。セラミックという性質のおかげで、外部からの騒音を防音する効果もあり(部屋を閉め切っている前提)、消臭効果もある。今のところ、場所と使用状況を冷静に判断して使いたい。そうすれば、コスト以上の、すばらしい効果を発揮する材料と言えそうだ。

100604008 野口さんは、宇宙で素晴らしい住環境だっただろうか。世界中の宇宙開発費を使い、人類の究極最先端の技術に囲まれて、無重力の宇宙で和服で書初めをしたり、おそばを食ったり出来たようだか・・・・・。

 ・・・・・真夏でもそよ風のよく通る畳の上で、庭の朝顔を眺めながらそうめんを食べて風鈴の音を聞く。暑いときに、ある程度の暑さを感じながら、コストを掛けないで【涼】を得る努力をする。寒いときに季節の移り変わりを感じながら、ヒザかけの毛布を1枚押入れから引っ張り出す・・・・・。

100604006 人類の進化に宇宙開発は欠かせないが、人間の進化には、忘れてはならないものがあるような・・・。

 常に機械に管理された部屋で、パソコンやゲーム、デジタルTVなどの【最先端】に支配されないで・・・。自分で【食】をつくったり、自分で【暖】や【涼】をつくったり。ホルムアルデヒドうんぬん・・・ではない健康が手に入るかも・・・。

 こんな事をブツブツ言っているから、儲からないのだ・・・。最先端をドンドン使った方か設計料が上がるのにね・・・。でもダメでしょう・・・。人間の【住】を作らないと・・・ブツブツ・・・。

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