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2010年4月の4件の記事

くびれ

 この【くびれ】はなんなんだ。

100429002_3 もちろん、別の意味ではない。別の意味での【くびれ】は、酒の席で話そう。これも語れば長い・・・。今日は、葉っぱの話である。

 今年も春になり、どんぐりから生まれた我が家の雑木も、黄緑色のすばらしい葉が出ている。しかし、この木の樹種は、結局なんなんだろう。

 以前は葉の長さから、たぶんクヌキじゃないかなと思った。しかしこの新緑の【くびれ】は、その考えを全く否定している・・・。

100429001_2 葉先が太くなるというだけならコナラか?ミズナラか?という推察も成り立つんだが、どうだろう、葉は細長くなっていき、20cm以上にもなろうか・・・。初めはアブラムシに食われたのか?と思ったが、そうではない。すべての葉が同じように、キレイにくびれている。

 ネットでいろいろ調べているんだが、これという答えはまだ出ない。【くびれ】で検索を掛けると、葉っぱのくびれの画像は全く出てこず、【ほしのあき】の画像に時間を費やしてしまった。仕事しよっと・・・。

100429003 葉といえば、我が家のケヤキの葉にイボがある。昨年からこのイボを見かけるようになった。【くびれ】のついでにこのイボを調べたら、【ケヤキハフクロフシ】というものだそうだ。アブラムシの仲間らしい。立木を枯らすことはないらしいが・・・。

 夏が来るとタケやササに移動して、また冬にケヤキに戻ってくるんだそうだ。そう言われると、なんとなくかわいいやつだなんて思ったりもするが・・・。とは言え、こいつが何十個もある姿は、気持ちいいもんではない・・・。

 なんだかいつも木の事を考え薪の事を考え、今年ももうGWに入ってしまった。GWまでに終わらさなければならない薪割りも、いつものようにまだ残っている。

100429007 それでも、時間を見つけて薪割りっと・・・。これは土曜日の2時間の成果。手割りでナラの根元の部分。

 根元部分は、ケッコウ繊維が粘る・・・。固いというか、斧が入っていかない。それでも精神を集中して声を出す。へいやぁぁあ・・・!!!

 最近はなるべく休日にはやらないようにしている。住宅街には薪割りの音もうるさいが、集中した時の私の声もうるさい・・・。

100429005 仏のラゲッティ登場。先週になるが、仏のラゲッティ様と、また新たなる宝物を頂きにいった。ナラの上物である。

 なんで【仏のラゲッティ】なのか・・・。彼は、自分の薪小屋はすでに一杯なのに、薪割り機だけを船(軽トラ)に積み、朝一番からやって来た。そしてこの日は一切のお宝を自分の船には積むことなく、ただただ私のために大木をカットしてくれる。薪がつくる友情・・・。薪仲間・・・。すばらしい・・・。

 根元なんて、この直径だ。50cm、60cmは当たり前・・・!こんなもの、持ち帰る事は出来ても、斧で割り切るなんてムリ!俺にはムリ・・・!我が家の小さな窯に入れる大きさまで割るなんて・・・。考えるだけで恐ろしい・・・・・。

100429006 そこで、ラゲッティさん登場。薪割り機で、この大木たちを割る・・・、というか引き裂く!この太い根元が、どんどん引き裂かれていく・・・!!

 前回もそうであったが、信じられない能率だ。細かくなった薪は、車にもたくさん載せる事ができる。たった半日の作業で、また腹いっぱいの財宝をいただいた。

 ラゲッティには、ホント感謝々々だ。ありがとう。この日はパンクもするし、腰だって悪いのにね。そのうち私も買いますから・・・儲かったら・・・・。恩返ししないと・・・。

 ちなみに彼には【くびれ】は・・・無縁かな・・・。ウエストサイズ2mくらいあるんじゃないか・・・!しかもそれ、筋肉でしょ・・・。どえらい馬力だし・・・。その馬力はマネできないわ・・・ブツブツ・・・。

 

 

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160年を再生するって

100422010 私には、何人か尊敬できる友人がいる。その一人が、伝統木造再生の専門家「寺本さん」である。久しぶりに、まじめに建築の事を書いてみたい。(もともと建物について書くブログだったんだが・・・・・。)

 リフォームの仕事を受けるようになって、とりあえず建築士なもんだから、構造の安全まで考えた提案の依頼をよくいただく。

100422002 築30年だとか築40年だとかいう建物は、古いだけでなく、実はちゃんと構造バランスを考えて作られていないことが多い。だから耐震診断を受けると、その多くが「倒壊の可能性が高い!」なんて結果が出る。

 それも、今の建築基準法にのっとった考え方が通用するなら、構造補強の提案は比較的簡単かもしれない。しかし、これが、築100年、150年とくるとね・・・。実は大変なんです。

100422003 今の建築基準法に基づく木造住宅の考え方は、とても簡単に言ってしまうと、しっかりした壁(耐力壁)を要所に作って家を固くして、上からの力や地震や台風の時の横からの力を、2階の壁→2階の床→1階の壁→土台→基礎へと伝えて、地面まで流してしまおうというもの。

 建物が固くてしっかりしていれば、それは壊れないし、中にいても倒壊が原因で死ぬことはありませんよ!っと、基準法は言っている。・・・その考え方の善し悪しは言わない・・・。

 しかし、昔は違った。建物を、柱と梁の接合部の強さとしなやかさで持たせましょう、という考え。

100422007 強さとは、「強度が高い」という意味とは少し違い、木の特性である「ねばり強い」という意味を強く含む。丁寧な大工の手仕事で複雑な仕口・継ぎ手を造り出し、建物は大きく揺れるが粘り強く、自然が作り出す大きな外力を、その構造自体で吸収してしまう。

 数寄屋の建物など文化遺産として残る古い木造建築は、壁が少ない。外壁はほとんどすべてが開口として開け放たれ、内部もまた襖を取り外せば、柱こそあれ、広大なスペースを作る。それは、もちろん家中に風を運び、夏涼しいだけでなく、木や左官材料などの呼吸を促し、長持ちをさせる。湿度の高いこの国の、最高の文化的遺産かもしれない。

100422005 その木の国【日本】の長い歴史と文化が造り出したとても理に適った工法は、日本人の生き方の方が変わってしまい、変化した。そして自然の流れなのか、人々は、「お上」になんでも責任を押しつけるようになり、お上はその責任を回避するため法律を整備する。

 もちろん法律には、根拠になる数値が必要になる。比較的立証が簡単だった「壁式」での木造建築の方が法令化される。結果、今、伝統木造工法の建物は理にかなっているのに、基本的に新築をすることは出来ない。

 建築士なら、だれでも耐震を考えた修繕計画が出来るかっていわれると・・・そうでもない・・・残念ながら・・・いや、恥ずかしながら・・・。

100422006 それは、耐震診断士の免許を有する者でも実は・・・・・。このような築100年を超えるようないわゆる【伝統木造工法】の診断・補修計画は、今の基準法に基づいた耐震診断の勉強では、答えは出ないのだ。

 これらの写真の建物は、亀山市の伊勢関宿にある文化遺産の改修。昨日、見学をさせてもらった。築160年強。一見したところ、痛みが相当激しい。

 この倒壊寸前とも言える伝統木造2階建ての町屋の構造修復を行っているのは、私の10年来の友人 寺本さんである。彼は、この10年、徹底的に伝統木造工法の補修・耐震を勉強し実績を積んだプロフェッショナルである。

100422004 正直、私の所見は、「壊した方がいんじゃないの?」と思った。それほど古く、材の痛みを感じる。しかし行政は、この文化遺産を取り壊してはいけないと決めた。もちろん文化を守り、継承していくためだろうが、まぁ、当然観光資源として利用したいんだろうな。

 取り壊してはいけないと決まった以上、どのように存続させるか、これが真の建築家の仕事である。寺本氏は、この風が吹けばオケ屋がもうかる・・・じゃなくて、柱がへし折れそうな建物と真っ向から向き合い、地道に、そして確実に計画を実行している。

 160年前の木材の腐食と虫食いの被害はタダものでないが、簡単に材を交換する事さえも許されないのが文化遺産。であるのに、改修後は公共の施設となるため、震度5強の地震にも耐えなければならない。

100422008 ひとつひとつの説明はここでは出来ないが、見えないように現代科学の武器も利用しながら、土壁が呼吸し、柱と梁の仕口によって建物に【ねばり】と【しなやかさ】を与える補強が加えられていた。

 完成は、来年以降になるらしい。今はまだ一度落とされた屋根も葺き直されてはいない。入札や予算の履行時期等の問題があるんだそうだ。つまり、役所仕事・・・。彼はそんなところとも戦わねばならない。

 先日も、築100年を超える古民家のリフォームのお話をいただいた。依頼をいただく前にあるハウスメーカーがリフォーム計画と耐震診断をしていたが、根拠のない数値が並べられ、しかもリフォーム後のプランでの診断でも「倒壊の可能性が高い」となっている。建築の知識のないお客様に、「お客様のご希望とご予算では、大きな構造補強までは行いません。」という設計者の言葉だったそうだ。

100422001_2  古民家(伝統木造工法)は現代工法の建物とは違う。ここに、さらに「誠実」が入らなければ、なんのために建物を、文化を残すのか・・・。

 寺本さんの【誠実】と【熱い思い】は、本物である。そこに生きる人のための、建物の再生を仕事としている。こんな建築家になりたい・・・。

 あぁ、しかし彼が友達で良かったなぁ・・・。また助けてももらわないと・・・。昨日はコーヒーおごっておいたからね・・・ブツブツ・・・助けてよ・・・・・・。

 

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ステンレス石鹸?

100411001 石鹸だと言って渡された。いいですよ~って・・・。

 使っても使っても、汚れが落ちる気がしない。でも、形が良く、手の中にすっぽり納まり、握っているだけで気持ちがいい・・・。いいですよ~って、こういうことか・・・・・。

 なるほど癒される・・・。あぁ、何というか・・・、桜の花散る温泉にゆっくり浸かりながら冷酒を一杯いただいているような、ちょっといいホテルでパリッとしたシーツにくるまって両手でテディベアでも抱きしめているような・・・・。あぁ、癒されるってこういうことか・・・・・!むぎゅ~・・・。

 ン~・・・・、なんか違うような・・・。

 この【ステンレス石鹸】なるものをくださったのは、ナスステンレス改めナスラックの営業の伊藤さん。この間事務所に来て、妻とこのステンレス石鹸の事で何やら、うなづき合っていた。どうやら、妻は理解しているらしい・・・。この癒しの意味を・・・・。

 答えは・・・。臭いが・・・、とれるらしい。と、聞いてネットで見てみると、ケッコウ主婦たちは知っている当たり前の事実だそうで・・・。え~っと、ステンレスの中に入っているニッケルが水と空気に反応して、半永久的に脱臭効果が出るって言ったかな・・・、たぶん・・・・・。

 魚や肉料理の時のあの臭いを脱臭する。ってことで、ステンレスキッチンって昔からあるけど、実はステンレスであることに大きな意味があったって事だ。もともとステンレスは耐食性が強く、つまり、さびたり腐ったりしにくく、菌が増殖する事もとても少なくて、掃除が簡単!そこに脱臭性能もあったってこと。

 ステンレスの仕上げには、鏡面仕上げとヘアライン仕上げ等がある。鏡面とは字のごとく、鏡のようにピカピカ。店舗の入り口の自動ドアなんて、この鏡面仕上げが多いな。ヘヤラインとは、上の写真のように一定方向にわざと細かな傷をいれてある仕上げ。新たな傷が目立たないから、キッチンや階段の手スリなど、常に物が当たるところが多い。

100411002_3 キッチンを計画する時、今は、本当にいろいろな材料から選ぶことが出来る。本物の石、人造大理石、タイル、木製なんてものもある。

 石や木製なんてのは、時間の経過で傷がついたりしても味が出て良い。ただし、菌の繁殖には常に気をつける事。 タイルは、なかなか傷はつきにくいように思うけど、目地がカビる・・・。ということは、そこは雑菌の繁殖がはげしい。人造大理石は、初めはとてもキレイで清潔だけど、5年~10年くらいしてくると、傷が目立ち出す・・・。その時に傷は【味】にならず、なんか古めかしく感じられる事がある。傷が出てくると、雑菌の繁殖にも注意が必要・・・。

 少なくとも、これらすべての材料では、その材料そのものの性質で雑菌の繁殖を抑制する力はない。ところが、ステンレスという奴は、触媒反応により、なにもしなくても半永久的に菌を寄せ付けず、臭いまで取ってくれる、最高のキッチン材料なのだ。

 しかも、ヘアラインのステンレスは、時間がたち古びていくことで、【味】が出てくる。木のそれにも似た、使い込んだ物から漂う【味】だ!

100411003_3 エンボス加工なんてものもあり、表面を規則的にボコボコと凹凸を付けているものだが、【味】はヘアラインには少し劣るが、それはもっと清掃性が良い。

 これほど、ステンレスがキッチンに良いものだったとは・・・。もちろん、お客様の考え方によって、他のいろいろな材料を使うことはあるし、それはそれでその長所をよく理解し、上手い使い方を考える。でも、まぁ、特にこれという希望がないなら、スレンレスが押しですね。ス・テ・ン・レ・ス!!

 最高です。ステンレス最高!!!

 ・・・・・・・伊藤さん。これくらいでどうでしょう!最高のステンレス・・・・・。宣伝しときました・・・・・。

 あっともう一つステンレスのいいところ・・・!ステンレスの表面は、実は細かく突起している。これで・・・。「麦とポップ」を注ぎ込むと・・・・・。

 なんと、最高にキメの細か~な泡が・・・・・。しかも、泡が長持ちする!こ、これは!ビールよりももっと旨い第3種ビールではないか・・・!!!

 (・・・・・もちろん、本物のビールを良く冷えたステンレスカップに注ぎ込むと、と~てもキメの細かい泡の立つ、もっともっと最高のビールになりますが・・・・・ブツブツ・・・・・)。

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固い奴だ。

 ブッ叩いてやった。あまりにもしつこいんで・・・。思いっきり体重掛けて、何度も何度も・・・。

 もちろん勝った・・・。負けるもんか・・・。なめんなよ・・・。ただ、もうヘトヘトだけど・・・。肩も腰も痛いし・・・。

100401001 ケヤキですよ、ケヤキ。スカッと割れる奴は良いんだけど、樹の芯の方が焦げ茶色系のなかなか良いブラウンになっている奴は、固くて・・・。刃が入っても、繊維が絡み合うようにシツコクて、スカッといかない。下手すると、4ッ割するのに、20発くらい叩かないといけない・・・。

 昨日は、早朝から片道2時間かけてもうすぐ竣工の現場へ。現場の最後の取りまとめをやって、検査済証も問題なく引き取って、夕方事務所に帰る。そしたら今度はすぐに、山の方へ20kmほど走ったところまで薪をもらいに行く。なんか、この時期は、仕事もだけど薪作業がホント忙しい・・・。春だというのに寒いもんだから、来年用の薪までどんどん使ってしまうしね。また薪棚が心細くなってきたのだ。

 そして今朝は、朝から1時間半ほど薪割り。【義眼のラゲッティ】にウチまで薪割り機を持ってきてもらうわけにはいかないので、斧を研磨して、手割り。ヘッドの重みに体重をうまく乗せ、割る瞬間にスッと腰を下げる。腰を入れると言った方が的確か・・・。

 この時、やはり左手の軸が重要。スポーツと同じ。右手はコントロール。筋肉は重要だが、筋肉で薪は割れない。ぶれない軸と刃を当てる部分への集中力。邪念があってはダメ。石川遼くんでも、バックスイングの時のシャッター音で怒る時がある。彼よりは少しお腹が出ているが(関係ないか)、気が散るような環境では薪割りはできない・・・。

 インパクトの瞬間に刃が丸太に対して水平になっている事を注意し、見事に割れた瞬間の映像をイメージする。ここでその邪念や疑問が入ると、節や虫食いのある丸太は、割れてくれない・・・。

100401002 虫食い。これが難しい。出来れば虫食いのある薪は手にいれたくない。しかし、問答無用に車に積み込まなければならない事もある。

 割った丸太の中にキクイムシという幼虫がいる事がある。申し訳ないが、ブチュっと潰してしまう事もあり、それもあまり気持ち良くない・・・。虫によっては、木をボロボロにしてしまい、そういう薪は扱いづらく、室内に入れるのもはばかられる。

 またそういう木には、ゴキさんが住みつく事がよくある。おそらく薪棚に収まってから住みつくんだろうが、苦労して割った薪からゴキさんが出てくるととても腹が立つ・・・。

100401003_2 薪割り生活が始まってしばらく、虫さん達は木の柔らかいところを食べるんだと思っていた。しかしこれは、我々現代人の食生活を勝手に虫さん達に置き換えて考えた、私の身勝手だ。昔の人は固いものをよく食った。彼ら虫さん達もまた固いところがお好みだ。

 という事は、虫食いの大きな穴があるような丸太は、実はとても固くて、なかなか割れない。渾身の力を込めて20発。なんて事がよくある・・・。(薪割り機なら一瞬なんだけどなぁ・・・!!)

 虫食いは、コナラやカシとかが多い。キクイムシにとって最高なんだろうね。カブトムシや、カミキリなんかもコナラ、クヌギで成長するし・・・。まぁ、サクラやケヤキでも虫の跡を見る事はあるが、ナラの虫食いは、虫のいた部分が真っ黒になっていて、とても固い。

 しかし、まぁ、細かく割りにくいのだが、固いもんだから燃やしてみるとなかなか高温で安定した良い燃え具合いだったりもする。固いものは、体に良いってことか・・・。

100401004_3 今日から新年度の始まり。朝からバリバリやらなければならないところを、結局薪ストーブ話のブログ書きで昼を迎えてしまった。

 サクラの季節。現場の裏山のサクラで、しばしのお花見を・・・。

 ピンクの花がきれいだなぁ・・・。枝ぶりがいいなぁ・・・。春の引き締まった気持ちになるなぁ・・・。燃やしたら、いい匂いになるかなぁ・・・。これ一本で、何日くらい燃やせるかなぁ・・・・・ブツブツ・・・・。いかんいかん、また木を見ると、薪にすることばっかり考えている・・・・・。

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