リフォーム 完成写真撮影
本日、また一つ物件が完成し、引き渡しされた。気持ちのいい、ゆったりとした時間が流れそうな最高の空間が出来上がった。
そこで、引き渡し前の昨日、バタバタと写真撮影へ。撮影は、親友の写真家・米田正彦氏。友達プライスで、忙しいところも無理を言い、多治見まで連れだした。
前の日まで雨が続いたから心配していたが、撮影日はきれいな青空。室内のリフォームとはいえ、外の天気には非常に気を使う。光がぜんぜん違うから・・・。
もともと大きなお家。広々としたリビング。しかし、だからこそ、リフォーム前のお宅は奥まで光が届かず暗~い感じがあり、天井高が広さに対して低すぎたらからなのか、大きな圧迫感を感じた。独立したキッチンもお風呂も脱衣室も、太陽光があまり入らず、空気の流れすら悪かったような気がする。
施主の要望は、リビングを明るく風通しの良いお部屋に、暗く孤独感のあるキッチンを明るい対面キッチンに、古いタイル貼りのお風呂をUBにして、洗面脱衣室を使いやすく。
部屋が広いからこそ難しい、リフォームもある。少ない壁はすべて耐力壁になっている事が多く、簡単にはぶち抜けない。計画的な窓の配置でないと、光も風も流れない。
詳しくは、HPで話すとして、部屋の重苦しさを消したのは、「障子」。洋室にあえて障子をつかったのは、あのやわらかい光が欲しかったから。また、昔の洋室にあるカーテンのあの重々しさを、あっさりとしたラインの桟で払拭したかった。
朝一からスタンバイ。部分リフォームなので、施工した面積は比較的少ないが、光を待ち、米田氏に一ヵ所一ヵ所のデザインのコンセプトを現場で説明し、リフォーム前の写真との比較が出来るようなアングルを割り出し、撮影は日没まで続いた。
ここに掲載した写真は、私自身が米田氏の隣をウロウロ歩きながら撮ったもの。米田氏の撮った写真は、近々HPにアップする。
出来あがった建物の中で時間を過ごすのは、本当に楽しい。もちろん、その苦労を一つ一つ思い出すからだ。
しかし、ここまでの形を作ったのは私ではない。図面の意図を理解してくれて、ノミとゲンノウを振るってくれた職人さんたちだ。今回の現場でも、私の思い描く姿以上の出来栄えになった部分がいくつあるか・・・。
私が未熟だからそう思うのだろうか。そうではないと思っている。建て主の思いと私の思い、監督や大工さん達の思いが重なった時、皆の想像以上のすばらしいものが出来る。これは、絶対にそうである・・・。
撮影ははどうしても、引っ越し前の、家具や実際の生活が入る前に取ることが多い。引っ越し後1,2ヶ月は、家具代わりのダンボールが部屋中に・・・って事が多いからだ。
しかし、もし可能なら、ここで生活が始まってからの空気を撮りたい。(撮ってもらいたい)私があれだけ思い描いたこの空間での生活を撮らせてもらいたい。そうする事で、初めて設計の意図が伝わると思うから・・・。
しばらくしたら、施主のMさんに頼んでみるか・・・ブツブツ・・・。
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