子供のこころ、親のこころ
7月は、【竹筒ようかん】がよく売られる。夏に涼を与えてくれるその味わいは、何となくうれしい。
そのようかんの竹筒と割りばしで妻が作った水鉄砲。割りばしの先には、穴があいて履けなくなった息子の靴下の切れ端が輪ゴムで巻いていある。
手作り感満天で楽しそう。作る時の苦労も目に浮かぶし、目の前で母に作ってもらったものを、「ハイっ!」と言って受け取った時の、その喜んだ顔も良い。
写真の隣は、昨日長男が持って帰ってきた学校の教材で使った水鉄砲。どうみても、大人の目には竹筒の水鉄砲の方がよく見える。でも、子供達にはこちらも人気。飛び出る水の勢いも違うし、入れた水がこぼれ出す事もない・・・。まぁ、教材だからメモリもあったりして、用途が違うけど・・・。
でも、そんな事ではなく、やっぱり人により良いと思うものは違うんだなと思う。特に子供達には、なんとなく新しさを感じる物の方が人気があるかな。
かく言う私が子供の頃、昭和の申し子といっても高度経済成長のど真ん中、水鉄砲はプラスチックだった。いくつかブリキのおもちゃもあったが、手作りの木のおもちゃなんてあんまりなかったな。だいたいこの時代の超多忙サラリーマンのオヤジが、何かを作ってくれた覚えなんてほとんどない・・・。
とは言え、なんでも買い与えてくれる親でもなかった。会社から“わら半紙”や印刷前の包装紙をいっぱい持ってきて、ハサミとホチキスとセロテープを渡された。「作れ!」と言う。友達の中で、ミニカーもメンコもスーパーカー消しゴムも、もっとも保有数の少ないガキだった。
それが結果的に良かったの悪かったのか、今は、手作りおもちゃが大好きになってしまった。機会があれば、子供達のために、何か手作りおもちゃを作ってやろうとする。
子供にとってそれがありがたいのか否なのか・・・、そりゃちょっと良くわからないが、でも手作りのおもちゃには、必ず【心】がある。少々使いにくくても、すぐに壊れて修理ばかりしていても、その子だけのために、その子の喜ぶ顔を想像して作ったおもちゃには、必ず【心】がある。
プラスチックのおもちゃの材料をプレス機に入れるとき、作り手は子供達の喜ぶ顔を想像するのだろうか。オフィスビルの開発室で、サンプラーと呼ばれる子供達。彼らは、そのおもちゃが作られるその瞬間は知らない。出来た商品の結果として遊ばされる。(企業で樹脂のおもちゃを心をこめて作っている人もいるだろうから、失礼な事ばかりは言えないけど・・・。)
何を作ろうかなと考える姿、どうやって作ろうかなって悩む姿、不器用かもしれないけど、それでも少なくとも子供が自分で作るよりは上手いって事。
それらを子供の目の前ですべて見せてあげられたら、すばらしいおもちゃが出来ると思う。【心】がその【おもちゃ】を通じて、ちゃんと子供達に伝わると思う。
建物だって同じだろう。規格化された商品を右から左へ流して、これだけ安く出来ました、お手入れの必要がありません・・・って、それで良いのだろうか・・・。
【考える人】【作る人】の苦労と悩みが、【心】として【使う人】に伝わってほしい。完成されたものを受け取るんでなくて、受け継いだものを、じっくり時間を掛けて自分で熟成させてほしい。規格化された長期優良住宅なんて、クソくらえだ!
まぁ、それも、人によっていろいろ考えは違うからね。安くて手間の要らないもの作ってくれ言われたら、それまでか・・・・・ブツブツ・・・・・。
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