今年のドリーム。来年もドリーム!
クリスマスの次の日、この街にもほんのちょっとだけ雪が降った。朝の5時半頃には全くなかった雪だが、子供達が起きる頃にはうっすらと積もってくれたので、その日の一日は子供達の歓喜の声から始まった。
この街でも毎年一度は、もっとドカッと雪が降る日があるので、今年はまだ序の口だななんて言ったんだが、子供達にとっては十分に全開雪合戦気分のようだ。朝からスキーウェアを探している。ほんのわずかの雪なのに、天からの贈り物のように大喜びで、夕方まで何度もデッキに出たり入ったり。大人の私は、寒くて一日中薪ストーブの火を消すことができず、窓から彼らの元気を見ながら、遅ればせながらの年賀状書きに追われていた・・・。
そんな中、その薪ストーブさんは目一杯働いてくれる。部屋もたっぷり心地よく温めてくれるが、今日は濡れたウェアをどんどん乾かし、スキー場の山小屋のようである。普段でも冬は、洗濯物乾燥機状態となっているのだが、濡れものを乾かすと水分が蒸発し乾燥した部屋の湿度を上げてくれたりして、ともかく一石三鳥、四鳥である。もちろん何時間つけていても、電気代、灯油代を気にする必要もないし、ホント、彼はいいやつである。
さて、昨日はそんな元気な子供達を連れて【鈴鹿サーキット】へ。私が生まれる前から存在するサーキット併設の遊園地。子供の頃、忙しかった父が毎年一度だけ連れてきてくれた。三重県中南勢エリアの子供達にとっては、昔から聖地のようなところだ。昔はディズニーランドだってなかったし、そんな遠くまで子供を遊びに連れていくなんて習慣もなかったしね。20歳の頃にはF1が日本で始まり、モータースポーツブームとなり、また鈴鹿を聖地のように崇めていたのを覚えている。ともかく昨日は、大人の顔をして子供達を連れていったのだが、実は心の中は【聖地に帰って来たガキ!】になっていた。
でんでん虫や各種ゴーカートなど、無数の乗り物がある。子供達の目が輝いている。たしか昔はパスポートなんてなかった。1ヶ所1ヶ所で綴り式の現金チケットを切って渡していたから、なんでも好きなものに乗れるなんて考えられなかったよなぁ。乗り放題だんもんな、今は。今日はずいぶん空いているし、目一杯遊ぶぞ!
でも今の私の興味は、実は、それらの発着ステーションの構造などに目が行ってしまう。傾斜地にある建物は、どんな基礎をしているのか、この辺の地盤は固いのかとか、この壁の下地はなんだろう?屋根に溜まる雨水はどこへ流れるのか・・・。
ああ、オッサンになってしまったんだ! せっかく【聖地 鈴鹿サーキット】に来たのに、【ドリーム】な事を考えられないなんて!
まぁしかし、人に【ドリーム】を与える方の人になったんだと思えば、それもまた嬉しいか。大人にも、子供達にもドリームを与えられる立場になった。そういう仕事を身につけた。ただのサンタクロースじゃない。ドリームを現実化する技術を持っているんだ!
さて、ウチの子供達も、今日の【ドリーム】を喜んでもらっただろうか。私が幼い頃、両親からもらったドリームである。このドリーム、自分が子供の頃思っていたほど生やさしいものじゃない。入場券を買う時も、お昼のランチの代金を払う時も、小さな、いや大きな覚悟と引き換えにこのドリームを手に入れる。彼らの笑顔を見るために・・・。今頃、両親の苦労がよくわかる。
そういえばこの間のクリスマスの日にも、サンタになって、大きな覚悟と引き換えにドリームをあげたっけなぁ。年末はドリームが多いなぁ。お正月もドリームいるのかなぁ。こうドリームが多いと大変だ。
もうすぐ大晦日のドリームの日。これは大人のドリームの日だな。今年は連番で・・・。しかし、大人のドリームは、覚悟の割には確率が小さい・・・・・ブツブツ・・・・・。
| 固定リンク