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2008年11月の4件の記事

一週間が過ぎて

 妻のお店【マノ・ア・マノ】がオープンして、一週間が経った。

081124003  今まで設計事務所の打ち合わせ室として使われていたところが、突然お店になった。事務所といっても、クライアントがひっきりなしに出入りするような事務所ではないので、こうやって毎日いろんな方が来られるというのは、まだちょっと緊張する。店主は妻なので私が対応するのではないのだけど、続き間で仕事をしているため、来客の度になんかちょっとドギマギしている自分がいる。

 しかし妻は私の心配をよそに、実に流暢に対応している。女性はすごい。まるで何年もここで商売をしているようだ。尊敬する。

 「お客様は神様です」とは良く言ったものだ。注文をもらったり、問い合わせをもらったりするだけでも私は一喜一憂してしまっている。興味を持ってもらって店まで来てくれただけでも、こんなにありがたいと思うものなのか・・・。ホントに神様に見える!

081124002  ということは、自分が誰かのお店に行く時も、店側は同じように思っているのだ、きっと・・・。興味があったら、まずはお店に立ち寄ってみる。それだけでも、お店としては幸せなのだ、たぶん・・・!

 それでいいものが見つかって、こちらも幸せになって、店も幸せになれるなら、こんな良い事はない。

 妻に負けてはいられない。建築家として新しい動きをしたいと考えている。初心に戻って、クライアントをホントに幸せにすることを第一に考えねば・・・。

 そして早く打ち合わせ室を取り戻さなければ!・・・ではなくて、私もまたお客様が立ち寄りやすい事務所を作り直さねば!と思う。

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本日開店! マノ・ア・マノ

 妻がお店を出した。今日が開店日。念願のお店。

とっても素敵なお店が出来ました。

081117002_2  お店の名前は、【マノ・ア・マノ】。スペイン語で【手から手へ】という意味。手作り・手仕事にこだわった木のおもちゃ・子供家具や、手作りちくちく小物、こだわり雑貨のお店です。

 彼女は、もともと家具の専門家だ。スペインで家具作りを修行し、帰国後スペイン家具の輸入エイジェントをやっていた。そんな彼女がこの数年、結婚・出産・子育てと続き、なかなか大好きな家具を扱う仕事が出来なかった。

081117005_2081117004_3 しかし、その時間の中で、本当に大切なもの、本当に素敵なもの、本当に価値あるものが、彼女の中に芽生えた。

作る人と、送る人と、使う人。081117006_5081117003_5そんな人たちの温かな心。それこそ、最も大切なものだ。彼女は家具を媒体にして、人の温かな心を、手から手へ伝えるお手伝いをする仕事を見つけた。

 マノ・ア・マノで、おもちゃや家具に使用する木は、土佐で採れる四万十ヒノキや、サクラ・ケヤキ・トチ・ブナなどの広葉樹が主。彼女は、海外から家具を輸入することに少なからず疑問があった。遠くからの輸送のために原油などのエネルギーをたくさん使っていいのか。日本人が、日本の環境・気候の中で使うべきものなのか。安全で、安価で、安心なものが、日本の中にこそたくさんあるじゃないか。

081117008_3081117001_3 私も本当にそう思う。建築でも同じだ。その土地、その場所には、固有の素晴らしい条件がある。風土やそこでとれる木や土などの材料だってその土地固有の素晴らしい条件だし、景色や周りの環境、風や光、音や匂いもまた大切な条件だ。もちろんそれらを使うことが常に安価だとは言えないが、少なくとも安心はある。またそれを使うことに意味があり、そこに心の豊かさまで生まれる。どこにでも建てられるカタログから選んだ家・・・なんてありえないと思う。

081117009_4  今日は、たくさんの人が来てくださった。小さな小さなお店が、一日中大にぎわい!妻のまっすぐな気持ちとそれまでの努力が、多くの人に伝わったんだと思う。

やったね。これからが大変だと思うけど、一生懸命手伝います。頑張りましょう!

 おっと、マノ・ア・マノのHPみてください!

【mano a mano】のHPは≫ http://homepage3.nifty.com/manoamano/

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アバンティ

081110001_5  サントリー・サタデイ・ウェイティングバー【アバンティ】。

 麻布仙台坂にあるイタリアンレストラン「アバンティ」のウエィティングバー。週末の夜ともなると、各界の有名人達がぞくぞくと集まる。バーテンのスタンと一緒に彼らのおしゃべりに聞き耳を立てる。至福の時を楽しめる最高のバーである。

 もちろんこれは、実在のバーではない。土曜の夕方5時、東京FM系で放送されているラジオ番組。結構有名な番組だから、知っている方も多いだろう。超都会的で、トーキョーの匂いプンプンで、出来過ぎな程カッコイイ。東京には、こんなバーがいくつもある。

081110004 学校を卒業して東京で大手建設会社の現場監督として就職した。と言っても駆け出しの頃は、朝から晩まで汗と砂ぼこり・土ぼこり・鉄粉ぼこりでドロドロになり、休みも少なく、朝は6時に寮を出て、夜は毎日午前様。それでも月に2,3回、無理やり時間を作ってこんなバーに通い続けた。初めての現場が銀座ど真ん中だったのがきっかけで、父に紹介された銀座8丁目、すずらん通りにあるショットバー【Stella(ステラ)】。子供が行くようなバーじゃない。大人のバーである。

 店長の稲さんは、この世界では少々有名なバーテンダーらしい。もう初老といえる年齢で、なかなか自分では振らなくなっていた。ただこの人目当てで、いろんなお客がやってくる。大手広告代理店のトップ、銀座の高級寿司屋の社長や、開業医の兄弟、謎の紳士、etc…

081110003081110002 田舎者で、酒だって全然わからないガキの私に、稲さんも他のバーテンダーも皆優しかった。ガキが一人でカウンター席に座る。バーテンダーが静かに注文を聞いてくれる。常連にもなると、以前に話した内容を全部覚えていて、とても良い話し相手になってくれる。誰か客人を連れていくと、そっとエスコート役の私のフォローをしてくれる。

 一人でカウンターに座っていて話しかけてくれるのは、バーテンダーだけではない。隣に座る見ず知らずの人と語らい合いが、また楽しい。いろんな人がいる。人って面白い。

 ある時、なにかの理由で水曜の夕方6時にステラへ行った。外はまだ明るい。もちろん他に客はいない。するとすぐに店の前にタクシーがとまり、二人づれの客が入ってきた。一人は70歳を越える老人で、もう一人はその人を会長と呼ぶ40代半ばの女性。二人ともとても身なりの品が良い。どういう関係なんだろう。稲さんが、注文を聞くでもなく、老人にウォッカトニックを差し出す。もう何年も前から(いや何十年も前から?)、毎週水曜日の夕方6時に、ウォッカトニックを一杯だけ楽しむために、タクシーでやってくる常連客なんだとか。

081110009 東京でまだ初々しいガキにとって、こんなバーで、こんな一風変わったカップルに出会うだけでもドキドキするような出来事。ところがこの老人、実は10秒に一回、喉を「カ~!」と鳴らす。「カ~、カ~!」。どうも慢性的に喉に痰が絡んでいらっしゃるようだ。「カ~、カ~」!!

 【すすめ!パイレーツ】という江口寿史のコミック漫画で、パイレーツのオーナー田吾作さんが「カ~、カ~、ペッ!」とやる。それとそっくり。こんなカッコいいバーで、毎週一回同じ時間にタクシーで、ウォッカトニックを一杯だけ飲みに来る紳士なのに、失礼ながらそこだけが、すごく間抜けだ!だから人のいない早い時間にくるんだろう、きっと。

 しばらくして声を掛けてくださって、ウォッカトニックを一杯ごちそうしていただいた。すごく、すごく大人の味がした。お話もとても紳士で、素晴らしかったのを覚えている。カ~!!

 銀座で最も繁盛しているという高級寿司屋の社長さん。見かけるたびに、数人の女性と一緒。話し上手で、彼の席はいつも盛り上がっている。「じゃぁ、ドンペリ飲むか?」≪えっ!ショットバーでドンペリですか・・・?≫ まだドンペリが、1本3万とか5万とか言っていた時代である。その会話をカウンターの3つくらい離れた席からボーッと見ていたら、「どうぞ!」って、グラスに一杯【ドンペリ】が注がれた。生まれて初めて飲んだ【ドンペリ】。美味いんだかどうなんだか、わかりません!帰り際に【ボトルにあまったドンペリ】、くれました。まだ若かったので、素直に「ありがとうございます!」って言えました。

081110010  常連になると、なぜかカウンターの端の席に座りたくなる。今日はいつもにもまして混んでいるが、うまく端の席が開いていた。隣に座っていたのは、これまた初老の紳士だった。しばらくはお互いが別々にバーテンダーと会話する。お酒がまわってくるとお隣同志、お友達になる。高級そうなスーツがビシッと決まった紳士だ。その点、最近の私はネクタイも締めてないし、ネルシャツとボロジーンズのまま銀座のバーで飲んでいる時もある。なんか店に申し訳ない・・・。

08111011  紳士の話をよく聞いていると、イギリスの貴族の城のようなお家に招かれて飲んだお酒の話のようだった。次元が違いすぎて、はじめは意味がわからなかった。貴族の彼らだって、おいしいお酒とおしゃべりが大好きなんだ、なんて話だったような・・・。しかし、この紳士は、なんでこんな若造にそんな話をしているんだろう。

 バーとは、人を癒してくれるところ。一人一人にとっては特別な隠れ家のようなところなんだけど、いろんな人を分け隔てなくもてなし、心の疲れを取ってくれる。すると、そこに来る客同士からも、次第に隔たりが無くなっていく。

 そんな時間と空間を演出するバーテンダーは、ただの酒出し名人なんかじゃない。プロだ。建築家として、いや人として、そんなバーテンダーのようになりたいと思う。人の心が安らぐような人でありたい。人の心が安らぐような仕事がしたい。人の心が安らぐような建物をつくりたい。

081110006081110005 東京から離れて長くなり、そんなバー【ステラ】の常連客もバーテンダー達も入れ替わってしまったと聞く。今私がお勧めなのは、同じく銀座8丁目にあるショットバー【Largo(ラルゴ)】。そこのオーナーバーテンダー石原さんには、実は【ステラ】時代、とてもお世話になった。

081110011_2 もう、なかなか行けない東京だけど、久しぶりに顔を出しても昔の話をちゃんと覚えていてくれる人がいる。今も変わらず私を癒してくれるバーテンダーがいる。私にとっての最高のサービスがそこにある。 

   

  

BAR STELLA;

http://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0335722058/index.html

BAR LARGO ;

http://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0355372482/index.html

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小学生サッカー新人大会

 この時期は全く忙しい。仕事はヒマなに、毎週末のイベントが忙しくって仕方がないから、まったく困ったもんだ。

息子がサッカーをしている。地区の小学校のサッカー少年団なるところに属して週数回の練習に参加しているが、彼自身は大変そうではない。とても楽しそうである。大変なのは親である。すべての親ではない。一部の親である。

元来運動大好きなのに、この歳になると、なかなかスポーツに参加する機会がない。せっかく息子がサッカーをやり始めんたんだ。なんか一緒にやりたいじゃない! 親がサッカー経験者だとコーチなどで少年団に協力し参加できるが、私はサッカーなんて体育の授業以外で経験がない。だからとてもサッカーなんておしえられない。でもなんかで参加したい・・・。

081106001_4 で、何故か、市のサッカー協会4種(小学生)の理事をすることになった。と言っても、委員会で大人が大勢集まってサッカーをするわけではない。小学生サッカーの公式戦の運営や、行政やスポンサー団体との連絡・調整、諸問題の解決等がお仕事である。私は競技運営部というところに配属されており、この週末に「担当大会の仕切り」という大変なものがあった。

5年生以下の小学生による【新人大会】が、私の担当。11月頭の大会ではあるが、7月から作業は始まった。大会要項や抽選会・説明会の事項書の作成、参加団を募集、抽選会を仕切り、予算を管理、試合会場の手配、トロフィーや優勝旗・賞状の用意、寄付いただくメダルために走り回り、選手紹介の新聞掲載の準備・段取りをし、予選・本戦の準備・運営、収支の計算・報告書作成など、なんだこりゃという程の仕事がある小さな小学生の大会といっても馬鹿にならない。

偉そうな事を言ったが、委員会の先輩方にホントにたくさんお世話になり、何とか無事終了した。みなさんありがとうございました。子供の事とはいえ、子供のみならず親も指導者も真剣である。タマに聞こえる行き過ぎたヤジを聞くと、「おいおい、そこまで言うか?」と思えるが、いざ自分の子供の試合を見ていると、大声が出ている自分がいる。いい加減な仕事は出来ないのである。

081106002_2 委員会には、いろんな方がいる。プロにはなれなかったが子供達の指導をしたいというくらいの若者から、長~く子供達のために働いてくれている「オジイサン!」もいる。しかし、みんな心底サッカー好きだ。試合中も普段も、ずーっとサッカーの話に明け暮れている。週末を毎週つぶして喜んでいる。ボランティアです、すべて。こんな人たちが舞台の裏側にいるから、社会は成り立っているんだなぁ、と痛感!

そんでもって、反省会ということで、我々オジサンは子供達を置いて、飲み屋へ向かう。なんかちょっと後ろめたいが・・・。しかし、そこでもすばらしい熱い情熱をもった指導者の方に出会った。随分先輩でしたが、ご自身は子供がいないという事なのに、真剣で芯のある話をたくさん聞くことができた。小学生とはいえ上下のある世界で、地域という環境の中でスポーツを習うとはどういうことか。また、たくさん考えさせられた。

残念ながら、我が息子の少年団は予選落ちしており、本戦は知らない子供達の試合を見るばかりであったけど、価値ある週末だったなぁ。来年は予選に勝ち残ってもらわねば・・・。優勝祝いの酒が飲みたい・・・!

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