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2008年10月の5件の記事

薪ストーブ 煙突ソージの日

 薪ストーブマニア(?)になって2年半、実は、今日初めての煙突ソージであった。

081028001  『お金は掛けない、体力と努力で節約・エコライフ!』を志し、薪になる木の伐採から自分の手で行ってきた。煙突のスス掃除だって、すべて自分でやろう。・・・と、思ったが、実はメンテナンスは、初めての素人には少し難しいらしい。今回は、朝から菰野の薪ストーブ屋さんの【チムニー】さんに来てもらって、いろいろ教えてもらった。

081028012_2  朝9時過ぎ、このあと配達するナラやクヌギの薪をトラックいっぱいに積んでやってきた。こうやって薪を「買う」と、結構な金額らしい。自分で調達すればほとんどタダだけど、買うと灯油よりも随分ハイコスト・・・。(でもよく乾燥した、きれいな薪だなぁ。ポンっとトラック一杯注文できる身分になりたいなぁ・・・!)

081028002081028003 さすがはプロ。あいさつもそこそこにサササッと段取りし、室内側の煙突を外したら、すぐにビニル袋を二重にかけた。普段はビシッとそびえ立ち、生活感漂う室内を重厚に引き締める黒い煙突も、今日ばかりは、おしりにオムツをかけられているようだ。

081028013  軽快に屋根に登って、煙突の上から掃除棒を突っ込んで、『チムチムニー♪チムチムニー♪チムチ~ムチェリー♪♪』と鼻歌唄っている!と言いたいが、チムニーの野村さんは生真面目な静かなお方。淡々と手際よく作業し、ススを煙突の下につけたオムツに送っている。我が家の屋根は勾配がとても緩いから、楽チンだ。屋根の形によっては、足場組んだりして、相当危険作業。

081028007_2  難しいのは煙突掃除というより、本体を分解してメンテナンスすること。要はバラバラにして掃除機で灰やススを吸い取り、磨き、ガスケットを交換したり、ボルトの締め直しをしたりするだけ、・・・なんだけど、間違って2次燃焼室壁の耐火ウールに穴を開けたりボルトを締めすぎてねじ切ってしまったりすると、余分な出費が・・・。よ~く勉強させていただきました。

081028008081028009_2  今の薪ストーブは結構精巧に出来ている。いくつかのパーツを取り外すと、奥から2次燃焼用の触媒(キャタリティック)なるものが出てくる。2年も掃除していなかったから、この触媒の上に灰がドカっとたまり、能力が半減していたそうだ。この触媒のおかげで、不完全燃焼を防ぎ、ほとんど無色のクリーンな排気をつくる。普通の住宅街で薪ストーブ生活を送るには、とても重要なアイテムであった。

081028011081028010_5  バラバラにしたパーツを、磨いて取り付け直し、最後に煙突を戻す。耐火スプレーや黒ずみ、キッチンオイルなどで表面をピカピカに磨いて『出来上がり!』。新品と見まごうばかりの立派な我が家の薪ストーブとなりました。ちょっと汚れてたりした方がカッコが良いようだけど、『汚して、磨いて、手入れして』の繰り返しが、本当にシブいストーブを作るのです。あぁ、今夜が楽しみだ。今週からグッと寒くなってるもんねぇ。

 焼き芋を作りましょう。洗ったサツマイモを濡れた新聞紙で巻き、その上からアルミホイルで巻いて、薪ストーブに突っ込む。30分もすると、ホクホクの焼き芋の出来上がり!作るところが見えるから、子供たちにもウケが良い。

 今年の夏は暑かったハズなのに、この数日の寒さですっかり気分は冬モードに入ってしまった。まだ割ってない薪が相当ある。今度の休みに割らないと。

菰野の暖炉・薪ストーブ専門店【チムニー】は、http://www.chimney.jp/index.html

円高の今は、お買い時か?それはよくわかりません。一度相談してみて・・・!

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おいしい給食

081022001_3 子供たちの小学校で、【給食試食!】なるものがあったので、嫁さんと参加した。娘の給食の配膳から「いただきます」までの様子を見て、その後親たちは、修学旅行でいない6年生の教室で、親だけで給食を食べる。大人十数名が、小学校の教室で子供用の机とイスで給食を食べるのだ。なんとも奇妙な感じ・・・。秋葉原に【給食喫茶】みないなものがあったら、こんな感じだろうか・・・なんていう、変態オヤジのようなことを考えながら、試食!

 今日のメニューは【カレーライス】だ!小学生の頃は競い合って食べたなぁ。いや、米飯給食になったのは5年生の時だから、【カレー付けパン】か・・・。

 「旨い!」 具が大きい。昔はもっとベショベショなスープみないなカレーだったぞ。福神漬けなんて付いている。ウチで食うカレーと同じじゃないか・・・!(ウチのカレーの方が旨いけどね。)

081022003_3 ちょこっと驚いたのは、娘たちの配膳を見ていると、給食当番が配膳を終わったあと、先生の号令で多くの子供が、別皿で配られた野菜の和え物を鍋に戻していた事。半分とか、全部戻していた子もいた。食べれないと思った食べ物は、はじめから手をつけないということらしい。30年前は、キライな物でもすべて食べ終わるまで、掃除が始まっても隅っこで食べさせられている子がいたけどね。今は、時間内に食べることの方が重要なんだそうだ。発育のための栄養という意味では、普段の生活で十二分に摂っているから、問題ないということだろう。

081022005_3  6年生の教室で、窓際にテラゾーの造り付けの机を見た。古い学校というところには、変なものがある。テラゾーとは、人造大理石の事。本物の大理石や花崗岩を砕いた粉を、セメントや樹脂と練り合わせて、なめらかに磨いて大理石のようなキレイな模様にした人造石のこと。安くて、耐久性があって、タイルより高級感があって、昔の建物にはよく使われた。というか、今も使われている。今は技術が向上し、もっとデザインも良くなったけど・・・。

 窓際にドカっと設置されたその机は、この建築好きの男からみると、なんかすこぶるカッコ良かった。存在感があって、おとこらしい・・・。夏でも冷た~くて、重厚な感じ。

01_402_6Pict0049_7 なんのためにここの付けたのだろう。昔は理科室だったとか・・・。悪ガキがよじ登ったら、窓から下に落ちるな・・・手すり乗り越えて。今の確認申請では、通らないよな・・・。なんて意味のないことを考える。  ちらみに昔ながらのテラゾーってこんな感じ(写真)。今は店舗の洗面台などによく使われる。

081022002  難しい本が置いてあった。「四日市市水道五十年史」だって。小学6年生でこんなもの読むのだろうか。大人になって興味はあるけど、それでも読みたくない・・・。

 カレーを2杯食べて帰ってきた。嫁さんは学校で他のミーティング。彼女は公私とも、ホントに忙しい。おれは、腹一杯。

 子供たちに聞くと、一番人気はビビンバだとか。ミルメークとかないんだって。時代は変化している・・・ブツブツ・・・。

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同窓会っていいもんなんだ

081020001 高校の同窓会があった。同窓会といっても、同期の友達たちで集まるやつでなく、歴代の先輩方が来られる「あれ」である。もともと随分上の先輩方の集まりが主だったので、同期や同じ年代の人間が少ない。だから「つまらないかなぁ」なんて思って、今まで案内が来ても出ていかなかった。しかし友人からの誘いで、「ぜひ出たほうがいいよ。結構たのしいよ。」と言われ、今年は参加してみることに。

 これが楽しかった。今年は幹事がその友人だったのもあり、中部支部120名程度の集まりのうち、同期も10人ほどいたが、多くは、10も20もそれ以上も年上の方々。はじめは立食で同じテーブルになった方々に型通りのあいさつとなるが、すぐに話が、先生や校舎の話になったりする。もともと実家が近かったりするから、共通の話題なんて、どんどん出てきたり。

 新しい街で独立して、ひとりでバタバタとやっている。すると仕事で業者と話をしていても、近所の会合や子供のサッカーの仕事に行っても、「友達の何々くん」の話ができなくて、ずいぶん孤立した気分になることもある。そこに、まぁそんなに近くはないけど、近郊地域に同じ過去の時間と空間を共有した先輩や同期の仲間がいて、それらは結構がんばってこられてて、そんな方々が応援してくれるなんて言われると、こりゃ嬉しかった。

 今までこんな繋がりは、あまり期待してこなかった。まぁ、これからも、この繋がりに媚びて利用しようというつもりも無いが、なんか不安が少し取り除かれたという感じがある。いろんな可能性を感じる。

 18歳の頃に戻ったような出会いもあったのに、ひとつ大人にもなれたような気がしました。

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なんにもない壁が大事なんです。

081015001 やっと、やっとテレビを買った。これまで1986年製のソニーの15インチを使い続けてきた。いかんせん、問題なく使えたのだ。まぁ、タマに音が勝手に大きくなったり小さくなったりするとか、画面の上下左右が切れてしまい、字幕スーパーやサッカーの点数が読めないなど小さな問題はあったが、生活に支障はないので頑張ってきた。2011年直前にはグッと値段が下がるだろうから、それまで頑張ってもらおうと・・・。

 しかし、実はこの秋から電化製品も一斉に値段が上がるらしい。各社とも最近の原料高騰で苦しんでおり、性能を少し上げて、グッと値上げする。という事は、逆に今この瞬間は、旧型(今年の春・夏モデル)の在庫処分で、とってもお安いのだ!

 今度のは32インチ!15インチから32インチへの変化は、大きい・・・。こんなに大きなテレビが必要なのだろうか・・・、とも悩んだ。しかし量販店の割引率をいろいろ検討すると、32インチが最もお得だ。最も売れる大きさなので在庫が多く、処分時の値下げ幅も大きいのである!今だ!一大決心!家族の笑顔!そのためだけに働いているんだ!行けぇ~ッ!!

 ・・・っと。また無駄遣いをしてしまった言い訳を、長々と公衆に対してやってみた。もちろん誰も代わりに払ってくれるわけではないので、別に遠慮することはないだけれども・・・。

081015003 さて、今まで【15】だった所に【32】が来るのだから、大きな問題は【置場】である。いい置き場所がない。一年も掛けた我が家の設計の時、リビングでの人の位置、窓の位置、家具の位置、薪ストーブの位置、照明の位置、外の光の方向、風の方向、家族の一人一人の興味や動線などなど、何度も何度もシュミレーションをした。

 テレビの位置というのも、大事な生活要素の一つ。我が家では、あまりテレビを生活の中心にせず、薪ストーブを囲んで会話を弾ませようと、テレビは端の方に置いていた。しかし、家の居心地が良いと、テレビだってゆっくりゴロゴロ見たくなる。半年ほど前、我が家の【テレビ君】は、自身の姿が小さいのを良い事に、リビングの中央に踊り出てきた。そして今、彼はその体を倍以上の大きさに変化させようとしている。

081015006_2081015004_4  テレビに限らず、新しい家具や電化製品を買ったり、模様替えをしたりするとき、配置にいつも苦労する。実は、その自由度を上げるのは、なんにもない壁の存在である。

 窓があったり、作りつけの本棚があったり、換気扇があったり、スイッチ類があったり。壁にはいろんな仕事がある。家を地震などから守るのも壁の仕事だし、最近では調湿したり臭いを取ったりと、なんでも屋さんの様相になり、【壁さん】はとても疲れている。

 広々させたいから壁を少なくするとか、せっかくだからココもアソコも本棚を付けようなんていうのは、人間の我がままだ!・・・とは言っても、人間さんが自分の都合で家をつくるのだから、事前に【壁さん】のことをたっぷり考えて作ってあげてはどうだろう。【壁さん】をうまく利用し、共存する、そんな設計をしてあげよう。

 眺望のために壁をどんどん取り払い、大きなサッシをつけたい。そんなお話をよく聞く。一つの意見だけど、程よい小さなピクチャーウィンドウで最高の景色だけを切り取ってあげて、壁の負担を少なくする。(壁にはいろんな力が掛かっているので、出来るだけ面積を大きくして負担を少なくしてあげると良い。)風景を美しく切り取り、電柱やお向かいの洗濯物まで景色に取り込まない。

081015005_2 絵を飾る時、部屋の中に広い壁の面があると、とても絵が活きる。壁そのものが、大きな額縁になる。

 毎日どんな瞬間も止まることのない太陽と影。彼らを美しく室内に映し出すにも、広い壁があるといい。壁際にダウンライトを設置しても、壁全体が絵になる。今度は壁は、キャンバスになる。

 最近どっかの建築雑誌で、建物の最高の状態は一つしかないから、すべての家具は作りつけが良い!なんていう建築家の話を読んだ。しかし、それはどうだろう。建物は住み手と一緒に変化し、成長していくもの。変化に対応できるものじゃないと・・・。その時【大きな壁】は、 【その障害】ではなく、設計しだいで【その大きな価値】になる。

 結局、我が家のテレビ君は、体は大きくなってもその場所を動かなかった。人間さんの方で工夫してくれと言うので、仮にも建築家の私だから、スケールとインパクトを振り回し、なんとか居場所を確保した。最近のテレビはLANまで付いている。見えないように配線をするのは大変なのよ・・・!

 ちなみにこれは、設計ミスではありません。家と家庭の成長なのです。

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ぺぺおじさん

081006001 TIO PEPE(スペイン語で【ペペおじさん】という意味)という酒がある。シェリー酒である。ブログの事を考えていたら、そのうち酒の事を考えるようになり、そういえばしばらくシェリー飲んでなぁ、なんて喉が渇いてきた。

 シェリー酒とは、本当の名前を【へレス】という。って、何が本当なのか知らないが、スペインのアンダルシア地方カディス県の【ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ】という町と、その周辺の町のみで作られる少し独特な白ワインの事だ。飲んだ事がある人は多いと思う。しかし、これは旨い!と本気で思った人は何人いるだろうか?

081006006_2 日本では食前酒として有名らしい。素人目にはフルーティな白ワインとは程遠く、実に酒っぽくというか、超ドライに作ってある。あの灼熱の大地で、食べ物が痛まないようにと塩漬けをし、飲み物が痛まないようにとワザとアルコールを添加するなどして作られる。大航海時代に、暑い船倉の中で長旅を乗り越えるために考えられたともいう。イギリス人が品質の悪いブドウを飲みやすい酒に改良したんだと、スペインにいる時に聞いた。【ヘレス】か英語なまりになると【シェリー】なんだとか・・・。ちょっと強引だけど・・・。

081006011081006010_2しかしこれ、彼の国では、歴とした食中酒である。あの暑くて乾燥した大地で、つめた~く冷やしたフィノ(最も普通で辛口のヘレス)とオリーブの塩漬けは、最高に旨い!にんにくとオリーブオイルだらけの料理には、白ワインよりずっとドライなフィノが最高に合う。チョリソにもドライなチーズにもバッチリで、飯も酒もグイグイ進む。これほど誉めたくなるほど、ヘレスが好きです!

TIO PEPEというのは、国外ではもっとも有名なシェリーだか、それはただ宣伝がうまかったからだと思っている。好きだけどね。しかし、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラの隣の【サンルーカル・デ・バラメダ】という町でのみ作られるものを特別に【マンサニージャ】とよび、これはもっと旨い。地元の通は、皆こちらを押す。さっぱりしていて、しかも葡萄の味があるって感じ。ヘレスには他に、【アモンティリャード】や【オロロッソ】なんて種類もある。発酵途中にもっと空気に触れさせて酸化熟成させて、色は褐色になり、甘く濃厚な味になる。これも旨い!

081006009_2年近く住んだカディスという町は、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラから15分程度の距離にあり、この町の奥に、秘密のマンサニージャ専門のバルがある。地元の人でも、詳しくなければ行かないような所。大家のルイスに紹介してもらって、何回か通った。ここでたっぷりマンサニージャの話を聞かせてもらったが、もちろんスペイン語だったので、今となっては全く覚えていない。あ~もったいない!

081006002081006004ヘレス・デ・ラ・フロンテーラは、実はサーキットでも有名だ。F1も行われるし、バイクのGPは観に行った事がある。フラメンコも有名。スペイン内でも、ヒタノ(ジプシー)とそうでない人がとても仲よくしている町だそうで、日常のいたる所にフラメンコが存在するって感じ。でも町へ行くと目につくのは、何といっても【ヘレス】の醸造所かな。大小いろんな醸造所があり、葡萄園がある。何度か見学にも行った。もちろんタダでたっぷり飲ませてもらうために。ホント不思議なもんで、どこの醸造所でも、そこで飲むとまた抜群に旨いんだよね。

081006003_3 TIO PEPEの醸造所には、皇太子殿下(徳仁様)の樽もあるんだけど、なんかいろんな人の樽に挟まれて、さびしかったな。日本の王子様なんだけど・・・。ちなみにスペインの王子様は身長190cm以上のスポーツ万能、秀才、超美男子で、国民のヒーローです。

懐かしいヘレスの味を思い出したところで、一杯フィノを飲みたいところだが、ちょっぴり高いので、あんまり買えません。今はワインは800円のチリワイン。身分相応って事で・・・。

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