« 夏の思い出 | トップページ | いっぷく、涼む »

へい作り

 【へい】をつくった。もう一年半も前だけど・・・。山の中に・・・。

Hi360120_2 幼稚園が、山の中を開拓して田んぼを作ろう!なんていう自由参加の企画をやった。山の中だから初めはトイレもなかった。そしたら土地の持ち主がどこかで仮設トイレをもらってきてくれて、でもせっかく山の中なんだからこんなカラフルなトイレがドカッと存在するのはよろしくないと・・・。塀を作ろう!と皆の声。

 そこで白羽の矢!建築好きでヒマそうなお父さん発見。わ・た・し・・・!

 材料は古い家の解体材。セメントは買ったけどね。あとは全部、そこらで拾ったものとか・・・。釘まで拾いました。ともかく金を掛けたんじゃ面白くないっていうご指示です。指示をしているのは、幼稚園の関係者たち。そんときの園長さんとか、土地の持ち主とか、ウチの嫁さんとか・・・。

 簡単に言いますがねぇ。大変だったですよ~!材料かき集めて軽トラで運んでねぇ。山ん中でたった一人で基礎用のコンクリートをスコップだけでこねるには、これまた大変な量でね。だから強度をある程度保ったままカサを増やすのに、デカイ砂利を何度も何度も運んでコンクリにつっこむんだけど、貸してもらっている一輪車はパンクしているし、だいたいコンクリ作るにも水道がないから、小川に降りて小さな穴のあいたバケツで水汲んで・・・・・。実は誰にも言ってませんが、ボコボコの斜面で脚立立てて一番上で作業してたらそのままひっくり返って、アルミの脚立がグニャっと曲がるほどで、しばらくその場で一人でうずくまって・・・。と、今説きあかす事実。

080903004 2日目、コンクリートが固まって板打ち付けて、友人家族とウチの家族も応援に来てくれて、色塗って、完成!立派なものではないけれど、・・・自分では立派だと思っております。

 思えば、この田んぼ開拓計画。はじめから大変でした。戦前は田んぼだった事もあるという場所だけれども、戦時中に演習場になり荒廃して、戦後は砂利やら土やらを捨てるところになっていたらしい。3m近い高さの葦を刈るところから始まり、葦の根を一つ一つ引き抜きながら、山のような砂利を拾い集める。その時から一輪車はパンクしてました。

08090301 水は小川を少し上流で砂袋でせき止めて、古い塩ビ管で田んぼまで引っ張る。道を作ったり、橋作ったり、ホッタテ小屋を直したり。毎日食べている米の裏側には、こんな苦労があったのか・・・。一粒たりとも残せません。もちろん幼稚園の父兄さんたち大勢でやったわけで、毎回、お昼にはみんなでワイワイとお弁当も楽しかった。しかし、作業ができない小さな子供たちが遊びまわっている横で、チャーンソー振り回して伐採だの橋掛けだのしているのは、ちょっとすごかったけど・・・。

080903001080903003_3 力仕事や危険な作業は、父達の仕事。当たり前だわな。こういうところでは、父の仕事、母の仕事、子供達の仕事がハッキリ分かれる。何も言わなくても担当が自然と決まるし、お互いの苦労も良く分かる。むかしむかしの日本って、こんなだったんだろうな。大変な生活だけれど、すばらしい生活なのかも・・・。

080903007080903006 ここでは、子供達は父の背中を見る。母の背中も見る。自分たちでは出来ないような大変な仕事をモクモクとこなしている父。普段、夜、テレビ見ながらビール飲んでいる父と、休みの日にパンツ一丁になっている父しか見ない子供達に、「お父さんが働いているから飯が食えるんだぞ!」なんて言っても、ホントは誰も聞いてないんじゃないか・・・?目の前で汗して働く父の背中を見て、父の存在を認識する。

Hi360017_3 母だって汗だくで働いているんだけど、優しんだよね、この日は。

 夫婦で、家族で一緒に働くって、こういうことなんだ。と感じるすばらしい企画でした。

|

« 夏の思い出 | トップページ | いっぷく、涼む »

01.建物好きブツブツ」カテゴリの記事