いっぷく、涼む
昼飯の後、一服したい。いや、タバコは吸わないので、時間までゴロゴロしたい。今日はカレーを食ったので、汗だくで、ちょこっとアイスコーヒーなど飲みながら涼みたい。
そんな時、この階段下の小さな廊下が大好きです。風が素晴らしく通り、無垢の床板が気持ち良い。だいたい昔から狭いところが大好きで、ガキの頃は家中の押入れに基地スペースがあった。
階段というのは、家の中心だ。といっても、本当に真中にあってはジャマだけど・・・。2階建以上の家は、階段を中心に各部屋にアクセスする動線が作られる。なんとか端っこに寄せながら、でもドシッと生活の真ん中にいるように設計する。
階段が風通しが良いという事は、家中が風通しが良いという事で、つまり風通しの良い階段があるということは、【風通しの良い家】ということである。飼い猫や飼い犬くん達がいつも階段下でゴロゴロしていたら、つまりそれは【良い家だ】という事になる。
階段って、天井が高い。当たり前か。設計のやり方によっては、ボコボコといろんな高さが現われて、立体的にとても面白い空間に出来たりする。ウチにいてもなかなか天井をじっくり見る事は少ないが、天井には、なんというか、日常にない姿があるようで、実は見ているとすごく面白いもんだ。
家の中心的存在でありながら隅っこに追いやられる階段は、北側の空間に詰め込まれる事が多い。とすると、暗くなる。しかし、階段ってケッコウ使用頻度の多い空間なんだから、暗いってのは、おもしろくないな。明るくしてあげようよ。
とは言っても、面積の小さな部屋だから、壁にはなかなか大きな窓が取れない。だから天井に窓ってことになる。するとこれが、また天井が彩られ、面白くなる!床だってもちろん平らじゃないから、空から降り注ぐ光が壁や床に複雑な面白い絵を描いたりして、これまた楽しい!
リビングを吹き抜けにしてリビングの中に階段!なんて方法もある。これだと中心的存在の【階段様】が、本当に中心に来る事ができる。(・・・でもまぁ、この吹き抜けってのは良いのかどうか・・・。空調が効かなかったり、高い所にホコリ溜まりが出来て掃除できなかったり。キンチョールでうっとしいハエを追いかけまわしている時には、吹き抜けに逃げられてしまうと手も足も出なくなるし・・・。)
おしゃれな建築雑誌に出ていた家で、南側の大開口サッシに沿うように、とてもキレイな鉄骨階段がついていた。階段が家のファッションセンスの道具になっている。カッコが良い!でも暑いだろうなぁ。手すりとか触ると「あちちっ!」て言うんだろうか・・・。スカートをはいてたらパンツ丸見えだ・・・。それもちょっと興味あるが・・・。
階段と言えば、住宅を設計するときは、出来るだけ子供部屋にはリビングを通らないと行けないようにする。居間やキッチン・ダイニングが1階にあって、2階に寝室・子供部屋なんてパターンなら、玄関入ったところに階段なんてありえない。目的は、二つ。子供が自然とリビングに出てきたくなるようにすること。自然と常に家族の顔を見る状況を作ること。それにより、家族を大切にする気持ちを育てること。これを【しかけ】という。どっかのテレビで見たような、バルコニーからテーブルセットが飛び出すとか、間仕切り壁からお母さんの三面鏡が飛び出すとかとは、ちょっと意味が違う。
やはり階段は家の中心だから、この配置はとても難しい。でもだからこそ、いろいろ遊べる【しかけ】もできる。大きな階段、小さな階段。バリアフリーな階段・・・!階段が横幅が広くなると、座りたくなる。どうしても座りたくなる・・・。これも使える。グルグルまわる階段は、登ってみたくなる。降りてみたくなる・・・。これも使える。
でも、我が家のように小さな家では、階段下で寝ていると、とてもジャマ!のようだ。というより、他の人が通れない。こんなことなら、あと50cm広くしときゃよかった・・・・・・。
猫みないなもんだな、俺は。いや犬かな・・・。よく言うこと聞くし・・・。ブツブツ・・・・・。
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