雨どい 無いと良いよね。
先週お仕事で、高知のある会社に伺いました。山中の絶景の中にある建物。きれい!楽しい!すばらしい!
【雨どい】がありません。街中ではできない(やりにくい)技。しかし、やはりキレイな納まりになると思う。許可もなく勝手に写真を添付します。写真を撮る時も許可の確認をしませんでした。ごめんなさい。でも、いつかこのようなシンプルで素敵な建物のあり方を紹介したかった。
設計をやっていると、雨水や汚水・雑排水をどうやってしかるべき場所に誘導するか、結構そればかりを考えている時間が多い。軒先から落ちる雨水は、コンクリートやアスファルトの上に落ちると跳ね上がり、人や車に掛かったり、建物や周りの設備にあまり快くない絵を描いたりする。だから雨どいをつける。人間の文化か創った最良の方法だけれども、なんとなく、絵的に面白くない。いや、雨の日に雨の姿をもっと感じてもいいんじゃない?
山中の森を切り開いて作られた建物。屋根に落ちた雨は、自然に軒先まで走り、そのまま大地に落ち、地中に浸透して行く。当り前の姿に感じる。軒がもう少し出ていてもよかったかも。雨の日に軒下を歩く楽しみが増えただろう。
スペインでは、こんな無茶な雨どいもあったな。せっかく横ドイで拾った雨水を、竪トイを使わず、そのまま空中で散布していた。地面はきれいな石畳だから、3階建てか4階建ての集合住宅の屋根から散布される雨は、道路に落ちて跳ね上がり、まるで下から豪雨が降っているかのように四方八方に飛び散っている。ところがこの雨どい、散布しているその先端がきれいに装飾されている。実に様々な装飾の形があり、各建物で競争でもしているかのようだ。
きっと理由があるに違いない。昔は、石で舗装された道路中央には汚物が流れていたと聞く。だから道路を洗っているのだろうか。いやいや、雨の少ない地域だとしたら、空中に雨水を散布して、少しでも湿度を上げていたとか・・・。そんなハズもないか・・・。ずっと考えていたが、結局この理由は未だにわからない。
建物って建てる場所の条件で、いろいろ出来る事が違う。まぁ、山の中のこんなすばらしい条件だから、雨どいのない納まりが出来たんでしょう。しかし、山の中だからある問題もありました。虫!とクモの巣。これは、どの山の建物にも付きもの。お世話が大変そうです。
ちなみに内部はさらにキレイでした。許可を取ってないので写真は出せませんが。
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