でもよく働きますよ。
感覚が違うだけ。スペインの工場労働者の人たちは、毎朝7時から働いているんです。 (まぁ2時か3時までですけど・・・。)いや、町の商店は、朝8時から夜の9時くらいまで開いている。(まぁこれも、昼2時から5時半くらいまではシエスタですからお店は閉めますが・・・。)
【生きる】が上手いんですよ。彼らは。マジで。
アンダルシアでは、太陽が南中する時間が昼の2時か2時半ごろ。そういう風に国で設定している。ということは、朝がなかなか明るくならない。夏時間が終わるときなんか、朝8時でも真っ暗。で、夜がいつまでも明るい。夏至の頃は夜の11時前まで明るい。これは、すばらしい事なんです。
スペインの生活の基本は、太陽が出たと同時に働き始め、午前中をたっぷり働き、一日の内でもっとも暑い2時から6時くらいに長い休息を取る。南部では夏の気温が毎日40度を軽く超える国。そんな暑い時間に働いているのはバカです。暑い時間はゆっくり休んで、そして日暮れまで涼しい時間にもう一度活動する。
朝は多くの店が8時オープン。工場なんかは7時ってところが多い。
お昼(2時ごろ)に家族揃って、一日のうちで一番しっかりした食事をします。子供達も学校から一旦帰ってきて、ゆっくり、しっかり、家族で食事。お酒も飲みます。昔は暑い畑に出て行った労働者や家族達の大切な水分補給は、ワインでした。乾燥した大地には、水が少ない。だから、昼にワインを飲むことは悪ではありません。ちなみにオマワリさんだって、昼間からバルでワイン飲んでます。運転免許のテキストには、【飲酒運転は違法ですから、飲まない方が良いですよ・・・・。】程度の書き方です。悪じゃありません。この地の文化です。
飲んで食ったら、シエスタ(お昼寝)。日陰は涼しいスペイン。働いて、食って、飲んで、ほのかな風の中で昼寝する。最高です。
5時か6時くらい、少し涼しくなったら、労働者は仕事場へ、子供達は学校へ戻る。もう一度一日がはじまる。だから商店は、夜8時か9時くらいまで開いてます。
夜10時ごろ、軽く夕食。Bocadillo(ボカディージョ;フランスパンのサンドイッチかな)をパクって感じですか。12時ごろ寝る人は寝る・・・、でも飲みに行く人はこれから・・・。飲み屋街は夜12時前には人がいません。ピークは1時から2時。
で、やっぱり朝8時には仕事が始まる。スペイン人は寝ません。ヨーロッパの言葉に【スペイン人は寝ない。イギリスは飯がまずい・・・】ってのがあります。意味はたぶん、そのまま・・・・・。
寝ないけど、休憩は多い・・・。当然の権利ですから・・・。
夜9時ごろウチに帰っても、実はまだ世の中が明るい。人間明るいと、いろんな事が出来ます。ビーチでは、大人も子供もサッカーが始まります。スーパーやデパート、映画館も人が一杯。
普段はボロボロの仕事着のおじいちゃん。でも毎日この時間になると、一帳羅のジャケットを出してきます。おばあちゃんも同じ。ワンピースに真珠のネックレスまでしています。二人で手を繋いで、浜辺を散歩。毎日お決まりのバルへ。一杯 Cafe con leche(カフェ・コン・レチェ カフェラテの事)を飲んで、また帰りも手を繋いで帰ります。お話しながらゆっくり水平線に陽が沈む浜辺を歩く。ほとんど毎日です。
これ、珍しい情景ではありません。ココでもアソコでも、どこでも目にする光景です。少なくともアンダルシアのマラガとカディスでは・・・。
スペインでは一日が2倍、3倍になります。夕方までに一日が2回あり、そして夕方、もう1回すばらしい一日が訪れます。
【生きる】が上手いんです、スペイン人は。
もちろんこれは田舎の話。都会では、なかなかこんなペースにはならないらしい。でも、基本はこれでしょう。
さて、すごい集中力の日本人。【生きる】が上手なスペイン人。どちらが良いかなんてありません。次元の違う話。【生き方】の問題です。
私は【家を造る】建築家になりたい。【家】は【生き方】の源になるところです。その人それぞれの【生き方】を理解して、【家を造る】がやりたいです。でもその時、少しでも【いろんな生き方】の話も出来るんじゃないかな・・・と思う。こんな生き方もありますよって。身体の力を抜いて、楽しくて快い、【ニマっと笑える家】つくろう!
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